涼しい風が吹き始めた去年の秋から冬にかけて、我が家の長老猫2匹が静かにこの世を去りました。
Towards the end of last year, our elderly cats, Mimi(21) and Mame(17) passed away one after another of natural causes. Thank you very much everyone for befriending them.
1匹目の猫、ミミ(21歳)は私が陶芸の仕事を始めたばかりのころ、我が家にやってきました。
キジ白の可愛いメス猫で、ヨチヨチ歩きを始めた長女、花の良き友となってくれることを願い、「ミミ」(鼻と耳)と名付けました。願い通り、小さかった花とよく遊んでくれました。
当時、私たちは街の片隅の小さな古い家を借りていて、焼き物の仕事は両親の工房の一角を使わせてもらっていました。そのころ私は、毎朝、花とミミをオンボロ軽自動車にのせて通勤。
ミミは機嫌よくボンネットの上で日向ぼっこをしながら車に揺られていました。
花と散歩に行くときも、子犬のようについてきて一緒にお散歩するような子でした。
2年後に花に人間の妹ができるまでは、本当に姉妹のようにいつも一緒でした。
あれから早21年、夏が過ぎた頃から徐々に弱り始め、11月の小春日和の日に息を引き取りました。
住み慣れた家で、温かい毛布に包まれて逝ったのですが、亡くなる前日まで、なんとか自分のことをすることができ、ヨタヨタしながらも、恋人のように慕っていた隣の工房で作業する(桃子の)弟の元へ自分でサヨナラを告げに行っていたようです。
享年、21歳、大往生です。最初に借りていた小さな借家から2回の引越しを一緒に経験し、何者でもなかった若い駆け出しの私たちが、なんとかここまでやってくる一部始終を目撃した唯一の猫でした。
2匹目はマメ(17)。
マメは三女、緑が言葉を話し始めた頃にやってきた美しい三毛猫でした。
緑と過ごす事が多いと見越して、当時彼女が発することができる言葉の中から名前を決めました。
(ちなみに「マメ」は「ダメ」のこと、、、)
若い頃は気が強くて、先住猫のミミや、後からやってきたゴールデンのハチくんとよく衝突していましたが、歳をとるうちに性格も身体もどんどん丸くなり、そこからは、やってくる子猫たちを優しく迎えて可愛がる、みんなのお母さんになっていきました。
人懐こくて食いしん坊、集まってワイワイやっていると自然に輪の中に入ってきて一番目立つところにどっかり寝転ぶこともしばしば。大谷製陶所が取材される時は必ず大きく取り上げられていたのもマメです。猫の言葉がわかれば、おやつを食べながらずっとおしゃべり相手になってくれそうな子でした。
一般的に、猫は役に立たないと言われますが、ミミもマメも、子供の遊び相手になってくれたり、来客があれば自然に一緒にテーブルにつき、楽しい雰囲気を演出してくれたり、本当によく手を貸してくれました。
そして、娘たちが成長して家を出て行き、小さい猫たちが家族に馴染んできた時点で、シャボン玉がパチンパチンと弾けるように、二度と会えないところへ行ってしまったのです。
私たちの生ける歴史が立て続けに消え去ってしまい、しばらくは心に穴が開いたような感じでしたが、世の中はこんな風に入れ替わっていくのだ、という実感も覚えます。
今はただ彼女たちにとってここでの暮らしが幸せであったことを願います。
生前、仲良くしていただいた皆さん、本当にありがとうございました。
泣けます🥺
大谷家の皆さんと過ごして二匹とも幸せだった事でしょう